飴色蝶 *Ⅰ*
彼の手が、私の頬に触れる。

「私の事、好きにしていいよ」

イオリ・・・

馬鹿な女って言わないんだね。

私の事、好きじゃなくていい

私の事、愛してなくてもいい

こんな私、馬鹿かなぁ?

庵の手がそっと

私の唇に触れた。

瞳を閉じた私の唇に

彼の唇がそっと触れる。

そして、熱いキスに

息ができなくなる。

夢見ていたものとは違うけど

これも、愛だと思う。
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