飴色蝶 *Ⅰ*

馬鹿

幸せなんて何処にもない・・・

誰かの温もりに、安心して
眠る貴方の隣で、寂しさに
耐えられず、涙を流す私がいた

やっと眠りについた彼を
起こさないように
   
彼に聞こえないように
声を出さずに私は泣いていた。

庵に抱かれて

満たされたはずの心は
   
もう既に、空っぽになっていた

夢見ていた事が現実になった
喜びなど、今の私には無かった

余計に虚しくて虚しくて・・・

私は、本当に馬鹿な女だと・・

つくづく

自分が嫌になる
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