飴色蝶 *Ⅰ*
「会長から聞いたでしょう
 私の事
 
 貴方だけじゃないのよ
 私が手を出した男は
 この世に、たくさんいるの
 
 わたし、ここが(心が)
 おかしいのよ
 
 確かにイオリ、貴方の事を
 私、とっても好きだったけど
 貴方の愛が、私にあると
 知って一気に冷めて
 しまったの
 
 いつも、これで男とは
 さようなら・・・
 
 私が冷めないのは
 たった一人、会長だけ
 
 彼からは逃れられないから
 さすがに、この私も
 命は棄てられない」

朱莉は、澄んだ綺麗な瞳で
庵を見つめた。
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