飴色蝶 *Ⅰ*
庵は、テーブルを強く叩いた。

「親の悪口は
 それぐらいにして頂きたい
 
 俺達は
 親父に命かけてますから」

「そうだな、すまなかった
 忘れてくれ、遠い記憶だ
 ショウも万々歳だな
 お前みたいな子分が要れば
 組は安泰だ」

グラスの酒を一気に飲み干した
初馬は、さっきまでとは違い
鋭い眼差しで庵に聞いた。

「だが、どうして
 ヤクザになった?
 
 親父さんと
 約束したはずだろう」

「どうして、それを・・・」
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