飴色蝶 *Ⅰ*
今日の更紗は
大きな声で笑っている
かと思えば

暗く、沈んでいた。

そんな彼女の言葉に

私は驚いた。

「嘘、先輩と別れたの?
 あんなに仲が良かった
 のに・・・・・・
 何年
 付き合ってたんだっけ
 ・・・?」

「六年だよ、六年・・・
 お互いの親にも会って
 結婚の約束だってして
 たのに

 他に、好きな子が
 できたって言うのよ」

そう言って

更紗は涙を流した。

私は、更紗にかける
言葉が出てこない。
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