飴色蝶 *Ⅰ*
詰まる声で、私は心から言う。

「貴方が、無事でよかった」

庵は、震える私を
息もできない程に強く
抱きしめてくれた。

「すみれ、警察がいる
 さあ、こっちへ」

警察に捕まると事情聴衆などで
時間を割かれてしまうので
とりあえずそこから
二人は離れた。

少し離れた場所に停めてあった
車の後部座席のドアを開く。

すると車内には

朱莉の姿が・・・
 
彼女の白いドレスの一部分が
真赤に染まっている。

私は、驚いたのと同時に
怖さに足が震えた。
< 205 / 488 >

この作品をシェア

pagetop