飴色蝶 *Ⅰ*
私は、彼女の言葉に耳を疑った

その言葉は
いったい何を意味しているの?

『貴女が愛しているのは
 誰なの?』

彼女に、そう聞いてしまいそう
になったけど聞けなかった。

庵からの電話に出る朱莉は
会長の無事を知り
顔色もよくなっていた。

「スミレさん
 あなたに変わってほしいって
 イオリが・・・」

「もしもし・・・」

「すみれ、ごめん
 当分、戻れそうに無いんだ」

私は、ちょうど明日から
仕事が三連休なので
その間は、彼女の傍に要る事が
できると彼に話した。
  
「ありがとう
 お前が居てくれて良かった」

それが彼女の為だったとしても
そう言ってもらえて
私はとっても嬉しかったの。
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