飴色蝶 *Ⅰ*
その時、庵の携帯が鳴り
要から会長が目覚めたという
知らせを聞いた彼は
急いで病院へと向かった。

そして、しばらく時が経って
庵が、舎弟の要達を引き連れて
戻って来た。

疲れている彼の事など
気にも留める事無く
彼女は、庵に抱きついた。
  
「イオリ」

「シュリ、大丈夫か
 気分は、どう?悪くない」

「うん、もう大丈夫」

見るからに庵の方が疲れている
のに、彼女の事を心配して
気を使うんだね。
 
そんなにも

彼女が大事なんだね。

「すみれ、すまなかったな
 ありがとう」

「ううん・・・」
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