飴色蝶 *Ⅰ*
庵にとって彼女は
とても大切な存在なのだと
いう事が

こうして一緒に過ごしてみて
よく分かった。

彼が、彼女にかける言葉の
ひとつひとつに 

優しく触れる手に

見つめる瞳に

深い愛を感じた。

「シュリ、店には当分
 行かない方がいい
 
 女には手出しはしないとは
 思うが、会長の女だと
 きっと気づいているだろう」

「今日は、休むけど
 明日は、営業するわ」

「大丈夫なのか?」

庵は、とても心配そうな表情を
浮かべた。
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