飴色蝶 *Ⅰ*
「親父は、もう大丈夫だ
 しかし当分は入院生活が
 続くだろうから、入院中に
 また襲われるとも限らない
 
 毎日、交代で親父の警備に
 あたることになる
 
 シバ、皆に
 この事を伝えておいてくれ」

「はい、分かりました
 
 ところで、兄貴
 幹部が集合しての話し合いは
 今夜ですか?」
 
「ああ、叔父貴が今
 皆に本部事務所に
 召集をかけてくれている」

「兄貴、やっぱり
 抗争は已むを得ませんか?」

庵の銜えた煙草に
火をつける要が話し出す。

「やられたことは
 やりかえすまでと躍起に
 なっている連中が大半」 
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