飴色蝶 *Ⅰ*
彼女の事を心配する庵の事を
見ていたくない
    
その気持ち以上に

男達の話を、私は怖くて
聞いていられなかった。

やられたら、やり返す・・・
  
やり返すって

誰かを殺すって事なの?

「すみれ」

名を呼ばれ振り返ると
そこに、庵が立っていた。

「また何も言わずに
 勝手に消えるのか」

庵は、菫の手を取った。
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