飴色蝶 *Ⅰ*
「暗い話は終わり
 
 そうだぁ
 スミレは今の彼とは
 うまくいってるの?

 確か一年ぐらい
 経つよね?」

「スミレにしては、長く
 続いてるよね
 
 専門学校の時なんて
 三日で別れた事
 あったでしょう?」
 
「あったあった
 
 最短記録」

店のドアが開き
重く湿った空気が
外へと流れて行き

この場所に元気な
笑い声が戻って来た。    

「じゃあ
 今の彼が最長記録だね」

「うん・・・そうだね」

私は、彼氏と別れた事を
この場で二人に伝える事
はできなかった。
  
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