飴色蝶 *Ⅰ*
モノクロの世界に見えたのは
  
私がその世界の外にいたから

・・・・・・

彼女は綺麗な右手を差し出した

「はじめまして
 お話は、会長さんから
 伺っています」

庵は、その手に一瞬だけ触れた 

「はじめまして」

そこへ、お供の者を二人
引き連れて遅れて
一人の男性が現れた。
  
幹部の顔色が変わる・・・
 
庵は、その男を

どこかで見た事がある。

「ほう、これは何という美男子
 アイドル好きの巴(トモエ)
 の目にも適いそうだ」

「お父さん」

彼女は、そう言って
その男の肩を叩いた。
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