飴色蝶 *Ⅰ*
そして四人は、夜道を歩く。

私は、少し顔を伏せて歩いた。

なぜなら、この道は朱莉の店
へと続く

ずっと、避けていた道。

もしかしたら

庵に逢うかもしれない・・・
 
更紗は彼氏の隣に立ち
さっと、腕を組んだ。

その姿を後方から見て素敵だな
と思っている私に、隣で歩く
彼が話し出す。
  
「あんなに飲んで
 酔わないんだね?」

「はい、お酒、強くて」

彼は、私の顔を覗き込む。
 
「頬が、ほんの少し
 赤くなってるよ」

私を見つめる彼の瞳に

この胸がドキドキする。

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