飴色蝶 *Ⅰ*
私は、その姿に言葉を失った。

数人の男達に前後を、ガード
されながら、庵が、こちら側
へと向かって歩いてくる。

私の心臓は、壊れる程に

強く波打つ。

気が動転した私は、彼と
手を繋いだままだった。
 
庵に何か言われる・・・

そう思った。

けれど、庵は何も言わずに
私の脇を通り過ぎて

彼女の店の方へと歩いて行く。

久しぶりに見た、庵の雰囲気は
変わっていた。
 
何て言えばいいか

分からないけど・・・
   
ただひとつ言えるのは

私なんかが、とても

近づけるような人じゃない。
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