飴色蝶 *Ⅰ*
「おまえを愛してる」 

「本当・・・なの?」

庵の言葉に驚き首を傾げる私に
彼は照れながら、深く頷いた。

ずっと

ずっと

欲しかった言葉なの・・・

「お願い
 もう一度だけでいいの
 もう一度だけ聞かせて」

「絶対に言わないつもりでいた
 お前を不幸にしたくないから
 ・・・
 だけど、もう限界」

「イオリ?」
    
「あなたを愛している
 
 お願いだ
 
 俺の傍にいて・・・」
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