飴色蝶 *Ⅰ*
彼は触れた指先で、私の緊張を
感じとったのか

真っ直ぐに私を見つめ、優しく
低い声で告げる。

「何度でも言うよ

 俺は、おまえを愛してる」

胸の下着を外した私は
彼の肩に、両腕をまわした。

庵は菫を、強く抱きしめたまま

二人は、ベッドに倒れこみ

裸になり、愛し合い・・・

ひとつになる

やっと、あなたと

心も体も結ばれた・・・

庵の背中で凄んでみせる
黒い降り龍が

今夜は、とっても優しく見えた


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