飴色蝶 *Ⅰ*
モノクロの世界に浮かび上がる

真赤な血の色

噎せ返る血の匂いを思い出す。
  
そして私は、あの夢の事を思い
不安になる。

庵の白いシャツが紅く染まる夢
  
彼の背に、頬を寄せて
目を閉じた。

目覚めた彼の口から、私は重大
な言葉を聞く。

「俺は昨日

 高月組三代目を継いだ」

「・・・・・・」

私は、何も言えない。

何て言えばいいの?

おめでとうって言えばいいの

・・・・・・
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