飴色蝶 *Ⅰ*
私が黙っていると、庵は
私の手を握り締め見つめて言う

「ごめんな、怖いよな」
   
私は、即答する。

「怖いのは、貴方を失うこと
 
 それだけだよ」

「俺も、お前を失うのが怖い」

二人は、抱きしめあう。

私の愛する人は

高月組三代目組長

この名前だけで

すごい迫力と威圧感・・・

「すみれ、お前と過ごす時は
 俺は極道でも、組長でもない
 
 ただの一人の男
 
 お前は
 何も心配しなくていい
 
 俺が、おまえを守る
 
 お前を
 絶対に泣かせたりしない」

私は、彼の言葉を信じる。

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