飴色蝶 *Ⅰ*
「すみれ、心配するな
 俺は、大丈夫だから
 
 何かあっても
 自分の身ぐらい
 自分で守れるさ」
    
「でも・・・」

心配そうに見つめる菫を
庵は、抱き寄せた。

「お前の住む、この場所を
 汚したくない
 
 ここに居る時だけは
 俺は、ただの
 タカツキイオリでいられる
 
 誰にも、お前との時間を
 邪魔されたくない」

彼の事は心配だったけど

私はもう、それ以上

何も言わなかった。

黙ったまま、見つめ合う二人

不安な瞳で見つめる私の唇に
庵の唇がそっと触れた。
   
優しいキスは徐々に
激しいキスへと移り変わる。

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