飴色蝶 *Ⅰ*
「イオリ・・・?」

口づけは、止まらない。

「イオリ・・・行かなきゃ」

庵は、悩ましい瞳で

私を見つめる。

その瞳に私は、うっとりして
のぼせていく。

庵は、私の耳元で囁いた。

「行こう、一緒に」

もう、止められないよ

貴方の傍で、時間を忘れて
  
ずっと、こうして

漂っていられたらいいのに・・

その願いは、叶わない。

あなたは、貴方の世界へと
戻って行く。
< 272 / 488 >

この作品をシェア

pagetop