飴色蝶 *Ⅰ*
病院から本部へ戻る為に
車に乗り込む庵の元へ
江崎が追いかけてくる。

「三代目、撃たれる数分前に
 あの場所で会澤組の
 若頭を見ました」

「それは、確かか?
 
 会澤組の若頭が何の用だ」

ねぇ、イオリ

ひとりきりが

こんなに寂しいなんて
   
知らなかったよ
 
庵は、病院から急ぎ戻って
先代に江崎から聞いた話を
伝えた。

「そうか、会澤組の若頭が・・
 やっぱり、あの話は
 本当だったのか」
  
先代、正二は、会澤組長から
若頭が高月組と盃を交わす事を
反対していると聞いていた。

「しかし既に、話合いは
 済んでいると聞いたが・・」

「この抗争の一番の根元は

 会澤組、若頭」
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