飴色蝶 *Ⅰ*
「イオリ、まだ、そうとは
 決まっていない
    
 あちらさんは、お前さえ
 盃に賛成してくれれば
 今すぐにでも、兄弟の契りを
 と言って下さっている
    
 今回の抗争の全てが、その
 若頭の仕業だったとしても
 盃さえ交わせば

 もうこれ以上、何もできなく
 なり抗争は終わる」
 
正二は、グラスの酒を
一気に飲み干す。

「昨夜は、帰ってないのか?」

昨日と、同じ服を着ている
庵は頷く。

「シュリの他にも、イロ(女)
 がいるのは構わんが
 
 まさか、そのイロと
 一緒になる気じゃない
 だろうな?」

「あいつとは一緒には

 なりません」

「相手は堅気の女か
 まさか以前の・・・」

正二は、声をあげて笑う。
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