飴色蝶 *Ⅰ*
苦いキス
先代の正二と、兄弟の盃を
交わしている組長数名と
朱莉の店で宴席を設けられた
庵は、その場を離れる事が
できずにいた。
つまらない自慢話を聞かされて
庵は、嫌気が差していた。
そんな、庵の気持ちが分かった
のか、朱莉は、こっそりと庵に
笑ってみせた。
庵は、あの襲名式の日から
朱莉の待つ部屋には
一度も戻っていなかった。
この十日間、寝に帰るだけの
ホテル暮らしをしていた。
やっと、先代から解放された
庵は、今すぐ菫のところへ
向かおうと思ったが
この機会に朱莉と、ちゃんと
話し合う方がいいと考え
彼女が仕事を終えるのを
店の前に車を停めて待っていた
交わしている組長数名と
朱莉の店で宴席を設けられた
庵は、その場を離れる事が
できずにいた。
つまらない自慢話を聞かされて
庵は、嫌気が差していた。
そんな、庵の気持ちが分かった
のか、朱莉は、こっそりと庵に
笑ってみせた。
庵は、あの襲名式の日から
朱莉の待つ部屋には
一度も戻っていなかった。
この十日間、寝に帰るだけの
ホテル暮らしをしていた。
やっと、先代から解放された
庵は、今すぐ菫のところへ
向かおうと思ったが
この機会に朱莉と、ちゃんと
話し合う方がいいと考え
彼女が仕事を終えるのを
店の前に車を停めて待っていた