飴色蝶 *Ⅰ*
荷物を持ち、朱莉は
この部屋を出て行く。
「さようなら、イオリ」
庵の夢の中、女性の声
誰かが、『さよなら』を告げる
目を覚ました庵は、隣で眠る菫
の存在に、ほっとした後
彼女の手をとり繋ぎ
彼女の額に自分の額を合わせて
目蓋を閉じた。
このまま、ずっと
菫の傍にいたい。
何もかも、忘れてしまいたい。
そして、眠る菫の唇にそっと
キスをして、ゆっくりと瞳を
開けた。
瞳を閉じたまま、菫は言う。
「もう一回、して」
二人の唇が、優しく触れ合う。
この部屋を出て行く。
「さようなら、イオリ」
庵の夢の中、女性の声
誰かが、『さよなら』を告げる
目を覚ました庵は、隣で眠る菫
の存在に、ほっとした後
彼女の手をとり繋ぎ
彼女の額に自分の額を合わせて
目蓋を閉じた。
このまま、ずっと
菫の傍にいたい。
何もかも、忘れてしまいたい。
そして、眠る菫の唇にそっと
キスをして、ゆっくりと瞳を
開けた。
瞳を閉じたまま、菫は言う。
「もう一回、して」
二人の唇が、優しく触れ合う。