飴色蝶 *Ⅰ*
「イオリ、今

 何て言ったの?」

「着替えろよ、出掛けよう
 お前の行きたいところ
 何処でも連れて行ってやるよ
    
 昨夜、泣かしたお詫び・・・
 ほらっ、早く用意しろよ」

「うん」

こうして、二人で並んで歩いて
いると、あの日の事を思い出す

六年ぶりに貴方と再会して
手を繋いで駅まで送って
もらった日の事を・・・

「ねえ、再会したあの日
 イオリはどうして
 あんなところにいたの?」

「過激すぎて

 とても言えない」

「過激なら
 
 言わなくていいよ」

「嘘、うそ」

庵は、ちゃんと教えてくれた。
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