飴色蝶 *Ⅰ*
何でも、ホスト時代の常連客に
路上で捕まり
   
『最後に
 
 抱いてくれないと死ぬ』

と言われたらしく

その日は、その女性に
付き合っていたらしいが、結局

極道に転落した事を知った彼女
は背中の龍を見て、ただ
震えていただけらしい。

極め付けに庵は鋭く尖った瞳で
彼女を見つめて、こう囁いたら
しい。

『逝かせてやろうか、天国』

言うまでもなく彼女は服を着て
逃げて行ったらしい。

「でも、あんなところで
 お前に逢うなんて驚いたよ
 ・・・・・・
 それで、行きたいところ
 決まった?」

「動物園や遊園地、水族館は
 やっぱり、お弁当がないと
 楽しくないし
 
 そうだ、手を繋いで
 街をブラブラしたい
 
 駄目かなぁ?」
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