飴色蝶 *Ⅰ*
「それで、いいのか?」

「うん、それがいい」

二人は、電車に乗って
ショッピングへ出掛けた。

手を繋いで人込みを歩きながら
いろんなお店を、片っ端から
見て周る。

はしゃぐ菫の姿を見て

庵はとても嬉しくなる。

可愛いランジェリーショップを
見つけた私は、職業がら
どんな商品が並んであるのか
気になって、中に入って
見たくなった。
  
「ねえ、入って来てもいい?」

私が指した方向を見た庵は

ショーウィンドウに

ディスプレーされた

赤や黒の派手な下着を見て
  
少し照れて、目を逸らす。

「ああ、そこで煙草吸ってる」

庵の手を離し、私は
お店の中へ入った。
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