飴色蝶 *Ⅰ*
「お前らの気持ちも分かるが
 ここは、もうしばらく待て」

「しかし三代目それじゃ
 あまりにも・・・」

庵は幹部の一人を、冷ややかな
目で見つめ、睨みつけ
低い声で吐き捨てるように言う

「あまりにも何だ、情けない
 とでも言いたいのか?」

庵の冷めた言葉に
場の空気は豹変する。

「誰が、いつ
 戦わないと言った?
 
 今は、まだ、その時ではない
 と言っているんだ 
    
 裏で手引きをしている
 本当の相手を見誤れば
 組は、総崩れになるかも
 しれない
 
 今は、情けない組だと
 罵られても構わない
 判断を誤り、躍起になって
 立ち向かえば、後には
 何も無い」
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