飴色蝶 *Ⅰ*

どうしてなの

庵と別れて、三日後・・・

彼とは、逢えないけれど
私の事を気に掛けてくれて
いるようで

毎晩、電話がかかってくる。

それは、ほんの数分の事
だけれど、口下手な彼が
一生懸命に考えながら
話す声が聞けて、私は
とても嬉しくて、愛しい。

夜になると、着信音が鳴るのを
心から、楽しみにしている
私がいる。

仕事を終えた私は、朱莉さんの
店へ、あの借りたままのドレス
を返す為に向かっていた。

その途中で携帯が鳴る
庵かと思い、携帯の着信履歴を
チェックしたら更紗からだった
 
何でも以前に、幹生さんを雪乃
に紹介したらしく、二人は
意気投合して、結果
付き合い出し、今、更紗の彼氏
と四人で、例の居酒屋で楽しく
お酒を飲んでいるとの事

そこへ『おいで』と誘いの
電話だった。
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