飴色蝶 *Ⅰ*
居酒屋の店内へ入ると楽しそう
に、幹生に寄り添う雪乃の姿を
見て、菫は嬉しくなる。
 
「お待たせ
 それにしても、いつの間に
 ユキ、良かったね」

更紗の彼と幹生に挨拶をした菫
  
照れくさそうに笑う、雪乃の隣
で幹生が言う。

「スミレちゃん、ありがとう
 イオリから、ちゃんと
 電話があったよ
   
 また、飲みに行く約束した
 から、スミレちゃんも
 一緒においでよ」

「うん」

「でも、あいつ
 とても忙しそうだね
 あんま、無理すんなって
 伝えて」

「はい」

男性人は置いておいて、私達は
カウンターでお酒を飲む。   

久しぶりに逢う二人は
私の事をすごく心配して
くれていた。 
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