飴色蝶 *Ⅰ*
「組の方が大変って・・・」

朱莉は、余計な事を言って
しまった事に気がつき

顔色を変えた。

「立ち話も何だから、従業員室
 で話しましょうか?」

賑やかな店内、支配人と
目が合った私は、会釈を
交わした。

「支配人、ユカリちゃんと
 従業員室で、大切な話が
 あるので、しばらくの間
 お店の方は
 宜しくお願いします
 
 すぐに、戻るわ」

「はい、任せてください」

いろんな香水の香りが充満
している従業員室で、朱莉と
二人きりで話す。

「そうなんですか?
 抗争が・・・」

「ええ、私も詳しい事は
 何も知らないのよ
 先代は、そういう話
 聞かせてくれない人だから
 
 ただ、お店の方の警備を
 当分は万全にするようにと
 言われただけで・・・
 
 しばらく抗争は
 続くかもしれないわね」
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