飴色蝶 *Ⅰ*
こんな事を、彼女に聞くのは
間違っていると分かっているの
に、口が勝手に問い掛けていた

「イオリは

 大丈夫なんでしょうか?」

「大丈夫よ、彼の為に命を
 懸ける組員は、数知れず
 彼の命は、大勢の組員に
 守られている
 イオリが、勝手な単独行動
 さえ、取らなければ大丈夫
 
 その為にも、今は逢う事は
 できないだろうけど
 我慢してあげてね
 いづれ、彼といっしょに
 なるんだもの
 
 それぐらいの事
 我慢できるわよね?
    
 スミレちゃん、貴女が
 羨ましいわ
  
 以前、庵に一緒になろうって
 言われた時、断ってしまった
 事を私ずっと後悔しているの
 なんて、冗談」

いったい、どこからが・・・

冗談なの?
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