飴色蝶 *Ⅰ*
「お前の言う事なら、イオリは
 必ず聞く
 
 抗争が長引けば、莫大な金が
 動き、泡と消えて行く
 
 そして、組は潰れる
 
 一日も早く終結させる為にも
 お前に、ここは頼むしかない
 
 あの子と別れる必要は無い
 イロのまま、今までどおり
 付き合いは続けていけばいい
 
 ただ、イオリには、会澤組の
 トモミお嬢さんと所帯を
 持ってもらい、会澤組と盃を
 交わし晴れて兄弟となる
 
 そして抗争は静まり終わる」

「先代、お言葉ですが、まさか
 最初から、この筋書きは
 決っていたのでは
 ないでしょうか?
   
 うちを手に入れたい為の
 会澤組の陰謀かもしれません
 一番、根元で操っているのは
 会澤組の若頭ではなく
 会澤組、組長なのでは
 ありませんか?」

正二は、大きな声を上げて笑う
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