飴色蝶 *Ⅰ*
「何て言っても
 ほとんど食ってるから
 今憶えてるのは
 お前だけかも」
      
そう言って、庵先輩は
無邪気に笑った。

学生時代、一度も
先輩が笑ったところを
見た事など無かった、私

初めて見たその笑顔は
とても素敵で、彼を
自分だけのものにしたい
と、強く思ってしまった

その笑顔を一番近くで
見つめていたい。

そう、強く

願えば願う程に

この胸は苦しい。

苦しくて、苦しくて・・

貴方を、独り占めしたい


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