飴色蝶 *Ⅰ*
絶対に、失いたくない・・・

彼は、知っていた。

彼女に触れれば、どうなるかを

彼は、知っていた。

視線の先に彼女が存在する
ことを。

貴女を失いたくない・・・

「その為にも、お前に危険が
 及ぶような行動はできる限り
 避けたい
 
 俺と一緒になれば、組の名が
 一生、お前にも付いてまわる
 事になる
 危ない目に遭わせたくない
 ・・・・・・
 すみれ、お願いだ
 
 俺に、近づき過ぎないでくれ
 お前を失えば
 俺はどうすればいい?」

組の名前が一生、付き纏っても
貴方と一緒になれるなら
それでも構わないよ。

私は、その言葉を飲み込んだ。
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