飴色蝶 *Ⅰ*
不安な瞳で私を見つめる彼

私の胸は痛くなる。

こんなにも庵は、私を失う事
を恐れている。

私を、必要としてくれている。
   
もう、どうでもいいよ。    

私のつまらない思いなど

どうでもいい・・・
   
「もう、いいよ
 貴方も、私と同じように
 不安だったんだね
 イオリ、私は何処にも
 行かないよ
 ずっと、貴方の傍にいる
   
 将来の約束なんていらないよ
 
 ただ、今この時、たった
 一つだけ、約束が欲しい
 
 イオリ
 一生、私だけを愛して」

「ああ、約束する
 俺は、お前だけを愛している
 この先俺は、誰とも
 一緒になるつもりは無い
 
 俺の安らげる場所は
 お前だけだ」
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