飴色蝶 *Ⅰ*
私を抱き寄せて、耳元で謝る
庵の声が聞こえた。
  
「ごめんな」

彼は、私を両腕で優しく
包んだまま

そっとベッドに倒れこみ
覆いかぶさり言う。

「俺は、ずっと
 
 お前が好きだった」

「イオリ、ありがとう」
 
いつもよりも、力強い彼に
抱かれて

あの頃の私ごと、貴方に
愛される。

『ねぇ、イオリは
 いつから私の事を
 好きだったの?
 ・・・・・・聞かせてよ』

『また、今度な』
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