飴色蝶 *Ⅰ*
二人は、ベッドに向き合った
まま横たわり、ずっと
話をしていた。
下着だけの姿で、寄り添って
薄いタオルケットに身を包む
庵の手が、私の髪に触れる。
「あの日、お前から目を
逸らさずに、自分の本当の
想いと向き合っていれば
俺は、極道にはならなかった
だろうな」
「本当?」
「ああ、お前が悲しむ事は
しない
だけど、あんな生活を
続けていれば、もっとお前を
悲しませたかもしれない
俺の自由になる時間など
一秒も無かった
仕事を休めば、生活は苦しく
なる
生きる事を止めるなら
仕事も辞められる」
彼の言葉は、今まで
何の不自由もなく生きて来た
私の胸に、ズーンと重く響いた
まま横たわり、ずっと
話をしていた。
下着だけの姿で、寄り添って
薄いタオルケットに身を包む
庵の手が、私の髪に触れる。
「あの日、お前から目を
逸らさずに、自分の本当の
想いと向き合っていれば
俺は、極道にはならなかった
だろうな」
「本当?」
「ああ、お前が悲しむ事は
しない
だけど、あんな生活を
続けていれば、もっとお前を
悲しませたかもしれない
俺の自由になる時間など
一秒も無かった
仕事を休めば、生活は苦しく
なる
生きる事を止めるなら
仕事も辞められる」
彼の言葉は、今まで
何の不自由もなく生きて来た
私の胸に、ズーンと重く響いた