飴色蝶 *Ⅰ*
「嘘でしょう、信じられない
 ユキって確か、誰かと
 ずっと一緒に同じ部屋で
 過す事なんてできない
 そう、言ってなかった?」

「それは、今でも変わって
 ないよ、誰かと同じ空間に
 ずっと居るのは煩わしいもの
 
 だけど、この人、私の家から
 現場に行った方が近いとか
 言い出して、勝手に
 居ついちゃったんだもの」

「そうなの?」
 
幹生は、頷き言う。

「貴重な朝の時間
 
 いっぱい寝たいし」

幹生の答えに、肩を叩く雪乃。

「嘘でも、一緒に居たいから
 とは言えないわけ
 本当、追い出してやりたい」

笑い合う、三人。

「それより、さっきの続き
 だけど、イオリの奴
 そんなに仕事忙しいの
 あいつ、何やってるの?
 この間の感じじゃ、ヤクザ
 ・・・・・・」

顔を見合わせて、黙りこむ
菫と雪乃の二人。
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