飴色蝶 *Ⅰ*
「そうか、分かった」

庵に、深く頭を下げて
挨拶をする組員達。

「三代目が御出でに
 なられました」

幹部達も、頭を下げる。

「先代、今日は何の用で?」

「以前、お前にした話を
 幹部の連中にも聞いてもらう
 つもりでここへ来た
 そして、皆の意見を聞きたい
 抗争は、ここから、日に日に
 エスカレートして行くだろう
 
 現に、こちらが伊納組に
 カチコミに行って以来
 向こう側は、全く動く気配を
 見せてはいないが、もうじき
 奴らは必ず動く
 
 仲本組と手を組んだ伊納組と
 戦うのは、以前のように
 簡単な事ではない    
 負けるわけにはいかない」
    
「分かっています
 でも、会澤組と契りを交わす
 つもりは私にはありません」

庵の言葉に、幹部達は
ざわめき出す。

正二は、要の顔を見たが
彼は目を逸らす。

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