飴色蝶 *Ⅰ*
「ところで、ミキオ
 それ、酒?」

「おう、全部、酒」

「そうなの・・・
 腹減って死にそう」

さっきまでの近寄りにくい
雰囲気とは180度違う、庵の
お腹を空かせた様子に
幹生は噴出す。

「早く、帰ろう
 なんか作ってやるから
 スミレちゃんが
 お前の事待ってるよ」

「確か、ミキオ
 すみれを返さないって
 言ったよな
 
 俺からすみれを奪う覚悟
 お前にあんの?」

「そんな度胸、俺には
 ありません
 それに、俺、ユキと
 付き合ってるから」

「ユキさんと、お前が・・・
 ある意味
 お前、度胸あるよ」

「何が?何でユキは
 さん付けなの?」
 
「さあ・・・」
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