飴色蝶 *Ⅰ*
菫と雪乃が話に夢中になる中
幹生に作ってもらった
親子丼を頂く庵。

「イオリ、どう、うまいか?」

「ああ、最高」

「俺、いつでも、嫁に行けるよ
 どう?」

庵は、首を左右に振る。 

「釣れないねぇ」

二人は、笑い合う。

そこへ、私と雪乃はお酒を
持って移動する。
  
私は、庵の隣の席に座り

雪乃は、まだ料理をしている
幹生さんの傍へ近寄る。

美味しそうに食べる庵を
見つめる私。
  
「食べる?」

頷いた私の口に、庵は、お箸で
ご飯を運んでくれた。
 
「おいしい、本格的だね」
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