飴色蝶 *Ⅰ*
小麦粉を薄く振った豚肉に
アスパラをのせて上手に巻く
幹生の手元を見つめる菫。

「ミキオさん、上手」

「スミレちゃんも
 料理得意でしょう?
 包丁さばきを見ると
 大体分かる」
   
「それなり・・・かなぁ」

料理をしながら、楽しそうに
話す二人を見つめて微笑む庵を
見た、雪乃は冗談を言う。
 
「ミキちゃん
 スミレに、あんまり
 馴れ馴れしくしちゃ駄目だよ
 イオリさんが怒るよ」

「イオリ、怒るの?」
 
微笑んで、そう聞く私に

庵は言う。

「妬いてるだけさ」
   
幹生さんの手料理を食べながら
お酒を飲み、いろんな話をする

彼に絡む庵は、とても楽しそう
で子供のように笑う貴方を
ずっと見つめていたくなる。
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