飴色蝶 *Ⅰ*
早朝、目覚めた私は、眠る
庵の傍を離れて部屋を出た。

御手洗いを借りて、部屋に
戻ろうとした私は人の気配
を感じてリビングのドアを
開けた。
 
すると食卓のテーブルに、朝食
の用意をしている幹生がいた。

「ミキオさん、おはよう
 おいしそうな香り」

「簡単な朝食作っておいたから
 食べてよ、ユキも、もうすぐ
 起きてくると思うし」

彼はTシャツの上、仕事着の
袖に腕を通す。
 
その姿は、とても凛々しい。
 
「かっこいいね 
 ユキやサラが惚れるのも
 分かる」

「ありがとう
 なんか照れるな」
 
微笑んだ後、幹生は菫を
見つめた。
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