飴色蝶 *Ⅰ*
「綺麗に着飾っているけど
 本当の彼女は
 ただの陰気な女
 
 彼女の何処が
 そんなに良かったの?」

庵は、巴の頬を思いっきり打つ

「お前に
 シュリの何が分かる?」

朱莉は、庵が自分の事で腹を
立てて彼女に怒ってくれている
事が分かった。

怒りに満ちた表情を浮かべる
庵に彼女は言う。

「怒った顔の貴方も素敵よ」

彼女に、何を言っても通じない

「やっかいな女」

「貴方に逢えるのを、ずっと
 楽しみにしていたんだもの
 今日は、付き合ってくれる
 でしょう?」

「次の店だけな」

「ありがとう」
 
店を出た庵の後を追いかけ
朱莉は声をかける。

「イオリ・・・」

「カナメ、彼女と先に車へ
 行っててくれ」

「はい」

要は、巴を連れて車へと向う。
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