飴色蝶 *Ⅰ*
別れの朝

息ができない

息ができない・・・苦しい

お願い

誰も、私から庵を奪わないで

お願いだから

その時が訪れる・・・

雲が幾重にも敷き詰められた空

太陽の光が覗くスペースなど
全く与えられず、辺りは昼間だ
というのに薄暗い。

そんな白昼堂々と行われる犯罪
 
本部事務所から出て来た庵に
放たれた銃弾。

庵の盾になり守るボディーガード
(護衛者)達は、その銃に撃たれ
次々に倒れて行く。

応戦するが、何ヶ所にも分かれて
配置された相手側の鉄砲玉
構成員達。

庵の腕と肩を掠める弾丸。

庵の顔が、苦痛に歪む。

最後に放たれた銃弾は
庵の前に立つ舎弟のシバの
脇腹を貫く。

猛スピードで走り去る車を
追いかける車。
< 460 / 488 >

この作品をシェア

pagetop