飴色蝶 *Ⅰ*
「逢いに行かなくちゃ

 イオリに・・・」  

彼の腕から逃れようとする私を
彼は、力強く抱きしめて
放してはくれない。

「放して・・・」

「駄目だ、放さない
 
 彼は、今後も
 命を狙われるだろう
   
 そう遠くない未来に、そして
 間違いなく・・・
 抗争は、ずっと続く」

お願い・・・誰か

誰でもいいよ。

抗争を、早く終わらせて・・・  

そして、あの人を私に返して 

菫は、気がつく。

「抗争を止められるのは
 この私・・・
 貴方は以前、そう言った?
 
 私がイオリを諦めれば
 この抗争は終わると
 
 教えて・・・
 それは、どうしてなの?」

新は、菫から離れ上着を脱ぎ
これ以上、彼女が濡れないよう
に頭に被せた。

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