飴色蝶 *Ⅰ*
その傷ついた体で、私を
包み込む庵は

一瞬、痛さに顔を歪めた。

「やめてもいいよ」

私の言葉に、庵は右側の
口角だけを上げて微笑した。

そして、私を包み
甘い口づけをくれた。

貴方の愛の全てを

受け入れた私は
 
貴方の愛の全てを

二度と忘れないように
 
心と体に、深く刻み込んだ。

貴方を忘れない・・・

私は、ずっと

貴方だけが好きなの。

昔も、今も、その想いだけは

変わらない

イオリ、貴方以外

他に何もいらない。

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