飴色蝶 *Ⅰ*
あの日から

ひと月が経つが

私は、庵先輩に会う事は
無かった。

私は、彼の事を知ってい
るつもりでいたけれど

本当は何ひとつ知らない
 
あの時、偶然に彼に逢え
たのは、奇跡に近くて

私は、彼の連絡先も
住んでいる場所も
何も知らない

庵先輩の事を好きで
居続けると、そう
心に決めたけれど
  
もしかしたら、あの電車
で彼に逢う事ができ無く
なったように

もう二度と、彼に
逢えないかもしれない。
 
彼以上に
好きな人ができない限り

私はずっと

彼への思いを

棄てられないだろう。

二度と逢えなくても・・
   
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